
国宝東塔解体修理に伴う瓦の展覧会
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この度、国宝東塔保存修理事業が進捗中の東塔より瓦降ろしが終了し、現在その整理・選別作業が続いています。その全体瓦数33,600枚の内、4,815枚の瓦の裏面にヘラ書きがあるのが見つかりました。これは昭和26年、第二次大戦後の物質的金銭的窮乏の時代に実施された東塔修理の際に、その貴重な瓦の財政的手当を当時修学旅行などで県内を訪れることの多かった長野県下の小学校〜高等学校までの児童・生徒が額を決めて募金をし、学校単位で東塔の甍を飾って下さったものです。そして、その想いを後世に伝えるべく瓦の裏面に文字を刻まれたそうです。
当時の奈良県と長野県とのこうしたやり取りに関しては、長野県の信濃教育会から当時の資料が沢山発見されており、今も長野県下の中学生の方々が修学旅行として訪れる奈良の寺々は、こういう温かな人々の思いを伝え繋いで護られて来たものを示すものではないでしょうか。
今回はその寄進頂きました瓦の実物を展示させて頂いております。当時の方々の想いを感じて頂ければと思います。
【タイトル】…『東塔−60年前の思い出の瓦展』
【期 間】… 平成26年3月25日〜平成26年末日まで
【展覧場所】… 薬師寺 大講堂内
