金堂の仏様

薬師三尊像 【国宝】 白鳳時代

薬師三尊像 国宝 の写真

 薬師如来のまたの名を医王如来ともいい、医薬兼備の仏様です。人間にとって死という一番恐ろしいものを招くのが病気です。体が動かなくなるのも病気なら、身の不幸、心の病も病気です。欲が深くて、不正直で、疑い深くて、腹が立ち、不平不満の愚痴ばかり、これ皆病気です。応病与薬[おうびょうよやく]の法薬で、苦を抜き楽を与えて下さる抜苦与楽[ばっくよらく]の仏様。だから人々に仰がれ、親しまれ、頼られていらっしゃるのです。

 極楽は西にもあれば東にも
    来た[きた](北)道さがせ
      皆身[みなみ](南)にぞある

 西に阿弥陀様の極楽世界、東にお薬師様の浄瑠璃世界[じょうるりせかい]があります。けれども薬師如来は東方浄瑠璃世界だけが願うべき世界ではなく、西方極楽世界[さいほうごくらくせかい]へ往生したいと願う人には、薬師の名号を聞くことによって極楽世界へ導いてあげますよとおっしゃっています。その人その人にふさわしい浄土を願わし引導して下さいます。

 金堂内の白大理石須弥檀[しゅみだん]上に、中央に薬師瑠璃光如来、向かって右に日光菩薩[にっこうぼさつ]、向かって左に月光菩薩[がっこうぼさつ]がお祀りされています。薬師三尊のおわします内陣は長和4年(1015)に撰述された薬師寺縁起で「瑪瑙[めのう]を以て鬘石となし、瑠璃[るり]を以て地となし之を敷く、黄金を以て縄となし、道を堺し蘇芳[すおう]を以て高欄[こうらん]をつくり紫檀[したん]を以て内陣天井障子となす」とあり、まばゆいばかりの様相でした。まさに浄瑠璃浄土の世界です。

薬師如来台座 【国宝】 白鳳時代

薬師如来台座 国宝 の写真

 薬師如来が座っておられる台座には、奈良時代における世界の文様が集約されています。一番上の框[かまち]にはギリシャの葡萄唐草文様[ぶどうからくさもんよう]、その下にはペルシャの蓮華文様[れんげもんよう]が見られます。各面の中央には、インドから伝わった力神(蕃人[ばんじん])の裸像が浮彫りされています。さらに、下框には、中国の四方四神(東に青龍[せいりゅう]、南に朱雀[しゅじゃく]、西に白虎[びゃっこ]、北に玄武[げんぶ])の彫刻がなされています。正にシルクロードが奈良まで続いていたのです。

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